未成年者が発起人や取締役になれますか?

こんにちは神戸、明石の会社設立の専門家 神戸会社設立アシスト運営の司法書士山下です。

 

私が未成年の時は全くもって会社の役員になるとか、会社の株主になるとか思ったこともありませんでしたが、司法書士の仕事をしていると、役員に未成年者がなることや会社の発起人に未成年者がなることも珍しいことではありません。

そこで今回は未成年と会社の関係を書いていきたいと思います。

目次
1.未成年は会社の発起人になれる
2.未成年は会社の取締役になれるのか
3.まとめ

1.未成年は会社の発起人になれる

会社の発起人とは、会社の設立の企画者として定款に署名又は記名押印をした者です。

発起人の資格には制限がなく、行為能力がない者や法人でもよいと解されています。

なので「未成年者」も会社の発起人になることが出来ます。

もっとも、発起人の最初の仕事となる「定款」作成において、公証人に認証してもらう際には注意が必要です。

未成年者の法律行為には親権者の同意が必要になるため「親権者の同意書」を必要とします。

また、公証人に印鑑証明書を提出する必要があります。

ここで、15歳以上でないと印鑑登録が出来ません=印鑑証明書もとれません、となります。

そのため印鑑証明書の提出が出来ない15歳未満の未成年者の場合は、親権者の印鑑証明書を公証役場に提出して「定款認証」を受ける事になります。(注:公証役場により取り扱いが異なる場合があるので事前にご確認下さい)

2.未成年は会社の取締役になれるのか

株式会社の取締役の年齢については法律では規定がありません。なので未成年者でも原則として取締役になることは可能です。

もっとも未成年者が法律行為をする際には、親権者など法定代理人の同意が必要となります。
そして役員就任の登記申請には、「親権者の同意書」が必要となります。

また、役員就任の際に印鑑証明書の添付が必要になる場合があるため、印鑑証明書の添付が必要となる場合は15歳以上の未成年でなければなりません。

具体的にはその会社が取締役会設置会社か、取締役会「非」設置会社かによって分かれます。

【1】取締役会設置会社の場合
取締役会設置会社の取締役就任の際には、印鑑証明書の添付が不要なため15歳未満の未成年者でも取締役になることが可能です。

【2】取締役会「非」設置会社の場合
取締役会「非」設置会社の取締役就任の際には、印鑑証明書の添付が必要なため15歳以上の未成年者でなければ取締役になる事が出来ません。

3.まとめ

このように、法律は取締役や発起人になる事を「未成年」という区切りでは規定していません。

そのため未成年であっても発起人や取締役となる事が出来ます。

もっとも「取締役が個人の能力に着目して会社から委任され、継続して業務執行の意思決定を行う地位である」ことから、意思能力を認めがたい未成年者は取締役になることは出来ないと解釈されています。

常に親権者に代理されての業務遂行は、もはや取締役としての業務をなしていないと考えられるためです。

未成年者が取締役や発起人になられる場合は、事前にご相談下さい。
実情にあわせて判断させていただきます。

神戸、明石、大阪の会社設立をお気軽にご相談下さい。
司法書士 山下隆之